マーケティング成功の鍵!定量調査・定性調査の役割と手法を解説

マーケティングリサーチを行う際に、定量調査や定性調査を使う場面というのは少なくないと思います。今回は、定量調査や定性調査の特徴や目的別の使い分け方などを紹介していきます。
定量調査とは?
数値やデータなどを用いた調査方法で、アンケートや購買データなどから得られたデータを整理し、ユーザーの行動傾向を分析する手法です。同時に多くの人にアプローチできるため、時間や費用のコストが比較的少なく済む手法です。
この調査方法の特徴としては、消費者の購買傾向などの実態を調べたり、定性調査で立てた仮説が実際に正しいか検証ような調査に向いています。全体的なユーザーの傾向を知ることができたり、ユーザーセグメントを分けることで特定のユーザーグループにおける傾向などを知ることができます。
一方で、制度の高いデータにするためには一定量のサンプル数が必要になり、想定した以上の回答を得られにくい傾向があります。また、集計したデータを読み取り分析する力や正しい分析軸を設定するといった統計の知識が必要になります。
定性調査とは?
ユーザーの思考や行動背景などを深掘りしてリサーチする手法で、「インサイト」と呼ばれるユーザーの心理的な部分や数値化できない情報などを引き出すことができます。
一方で、少数のユーザーに対して丁寧にリサーチを行うため多くの一度にデータを集めることができないという特徴もあります。リサーチャーとしては、インタビュー項目の設計や調査に関するスキルが必要になります。
それぞれの目的と使い分けが重要
定量調査と定性調査では、それぞれの特徴やかかるコスト・スキルなどが違ってくることがわかりました。それぞれの特徴を理解したところで、調査方法の使い分け方について解説します。
定量調査には、多くのデータを集めて統計的に分析するため実態や仮説の精度の高さを確認することに向いています。
その前段階として、実態を確認したい項目や仮説を立てるためには、消費者について事前調査を通じて理解を深めておく必要があります。ここで行う事前調査が定性調査になります。
そのため、流れとしては定性調査で消費者の理解を深め仮説を立てて、定量調査を行うことが多くなります。新規事業などでは、消費者の理解がより重要になるため定性調査からスタートすることが大切になります。
調査の主な手段
それぞれの調査には、調査手法に応じた手段がいくつかあります。それぞれ簡単に紹介します。
インターネットリサーチ
インターネットを通じてユーザーや顧客にアンケート調査を行う方法です。ウェブ上完結することが多いため、短時間に多くの情報を収集することができるのが特徴で、定量調査を行うための手段として選ばれます。
費用は、質問数と回答者数をかけた回答数で計算されることが多く、500回答あたり10万円前後になることが多いようです。
ホームユーステスト
ユーザーに商品を送り実際に自宅で使用してもらい、その感想を収集する方法です。ウェブアンケートとは異なり、途中経過やよりリアルな感想を収集することができることが特徴で、定量調査を行うための手段として選ばれます。
費用としては、1人あたりのコストが高くなるため対象者の選定や各段階における計画などを念密に設計する必要があります。
会場調査(CLT)
EXPOやイベント会場といった特手の場所で、参加者に製品やサービスに関する感想やフィードバックを行う手法です。大きく製品テスト、コンセプトテスト、広告テストの3つに分類されます。
実際に製品を触ってもらってヒアリングが聞けるため、特定条件下で実施を行なったりよりリアルなフィードバックをもらえる特徴があり、定量調査を行うための手段として選ばれます。
グループインタビュー
少数人の参加者を集めてモデレーターが特定のテーマに沿った質問を行うなど、よりリアルな感想や行動などを収集できる手法です。
参加者の意見や潜在的なニーズを集めることが集めることができるという特徴があり、定性調査を行うための手段として選ばれます。
行動観察 (エスノグラフィー)
様々な状況下でどのように行動するのか観察する調査方法です。教育現場などでも行われることが多く、その生徒の思考パターンや行動理解を目的に行われます。
普段、無意識に行なっている行動や思考パターンを拾うことができるといった特徴があり、定性調査を行うための手段として選ばれます。